YEAR

2019年

「微分積分学」3.区間縮小法とアルキメデスの原理

3.区間縮小法とアルキメデスの原理  2つ前の記事から,実数の連続性を述べるものである,以下の6つの定理が同値であることの証明やそれに必要な諸概念の定義を行っており,これまでの記事で,\(\mathrm{(I)}\Rightarrow\mathrm{(II)}\),\(\mathrm{(II)}\Rightarrow\mathrm{(III)}\)を示した. \begin{align} (\mat […]

「集合と写像」番外編1.空集合,空写像

空集合,空写像  この記事では,空集合と,ともすると大学の講義では触れられることさえない「空写像」と呼ばれるものについて,解説する. 命題の真偽  空集合に関する議論では,命題「\(P\Rightarrow{}Q\)」は仮定である \(P\) が成立していなければ偽である,ということをよく使うので,思い出そう.対偶を考えると,理解できるのではないかと思う.こちらでも少し解説している 空集合  まず […]

「微分積分学」2.有界単調数列の収束

2.有界単調数列の収束  前の記事から,実数の連続性を述べるものである,以下の6つの定理が同値であることの証明や必要な諸概念の定義を行っており,前の記事では \({}(\mathrm{I})\Rightarrow(\mathrm{II})\) を示した. $$\begin{align} (\mathrm{I}) &:デデキントの定理\\ (\mathrm{II}) &:ワイエルシュ […]

「集合と写像」5.写像,写像の合成

5.写像,写像の合成  この記事では,写像の定義をする.様々な分野の数学の教科書に載っている一般的なものを紹介した後,直積を用いた,集合としての定義を添えておく.そしてその後,写像の合成について説明する.このとき,高等学校で習ったであろう三角関数を例として用いる1)三角関数,および指数,対数関数について微分積分学の記事でもうすこし詳しく触れるつもりである.ただし,三角関数を定義するときに級数の収束 […]

「集合と写像」4.集合族,補集合

4.集合族,補集合  この記事では集合族と補集合について解説を行う.また,それに関連して巾集合や添字付けられた集合族についても解説する. 集合族 定義 4.1 集合族  各元が集合であるような集合のことを,集合族という. 例 4.2 集合族の簡単な例  \(A\) を,以下のような集合とすれば,\(A\) は集合族である. $$A=\{\{1\},\ \{2\}\}$$ 定義 4.3 巾集合  集 […]

「微分積分学」1.デデキントの切断と上限,下限

1.デデキントの切断と上限,下限 実数の連続性  ここから何記事かかけて,実数の連続性と呼ばれる諸定理(公理として扱われることが多い)について解説する.  実数の連続性とは,簡単に言うと,数直線上には実数が「ぎっちり」詰まっていることを意味する.これを説明する同値な定理が数多く知られているが,その内の以下の6つ,特に1次元の場合について,使われている用語などと共に,上から順に解説する. $$\be […]

「集合と写像」3.集合の演算に関する諸定理

3.集合の演算に関する諸定理  前回は書ききれなかったものを紹介する.以下で登場する \(A,B,C\) は集合,\(\emptyset\ \)は空集合である. 定理 3.1 空集合を用いた演算 \(\emptyset\cup{}A=A\tag{1}\) \(\emptyset\cap{}A=\emptyset\tag{2}\) \(\emptyset{}-A=\emptyset\tag{3}\) […]

「集合と写像」2.集合の演算

2.集合の演算  今回の記事では,集合の各種演算の定義と性質を紹介する. 共通部分,和,差 定義 2.1 共通部分,和,差  \(A,B\) を集合とする.記号\(\ \cap{},\cup{},-\ \)が,以下のように定義されている.1) \(\stackrel{\mathrm{def}}{=},\stackrel{\mathrm{def}}{\Leftrightarrow}\)といった記号は […]

「集合と写像」0.命題,論理の基本 

0.命題,論理の基本  この記事では,対偶や必要十分条件,背理法など,議論に必要な命題に関する基礎的な理論を紹介する. 命題  真偽が明確に決まる主張のことを,「命題」という.なお,命題が真であるとき,正しい,○○な条件を満足する,成立する,など状況に応じて様々な表現を使う.(伝わればなんでもよい.)  また,命題を表現する際に,「条件」という語をよく使う.これも,基本的には,満たされているか否か […]